小学生のプログラミング、PCは目的別に選ぶ
小学生、子供、プログラミング、パソコンと検索したら大量にPCが出てきて迷ってしまいますね。
簡単な選び方があります。
まず第一に目的をはっきりとさせることです。
子供向けプログラミングPCをお探しの方は、プログラミング教室に通うことを検討中の方が多いのではないでしょうか。
それならばその教室の規定に合うパソコンを探すのが早いですよね。
スペックの良さで選んだとしても、自分が受けたい講座にデバイスが対応していないことがあります。
iOSアプリ開発にはMacが必要だったり、講座によってはChromebookやiPadなどは推奨されていません。
この記事では【プログラミング教室に通う】【特にゲームを題材とした学習】と仮定して選ぶパソコンを絞っていきます。
具体例としてオンラインプログラミング教室デジタネの規定を元にPCを探してみましょう。

プログラミング学習に必要な基本スペック
ここではデジタネの公式ホームページを参考にしていきます。
学習に向けて準備するPCのスペックとして、公言されているのは以下です。
パソコンまたはiPad(第7世代以降)1台
<推奨環境>
CPU:Intel Core i5-4690 3.5GHz / AMD A10-7800 APU 3.5GHzまたは同等品
RAM(メモリ):4 GB
GPU:OpenGL 4.5 を搭載した GeForce 700 シリーズまたは AMD Radeon Rx 200 シリーズ (統合チップセットを除く)
OS:Windows 10 (以降)または macOS : 10.14.5 Mojave (以降)
空き容量:4GB以上(推奨)
※Chrome bookはOSが異なるため、マイクラッチコースの学習は対応していません。

PCに詳しくなければ、なるほど分かった、つまりどういうこと?となりますね。
こちらは、マイクラ公式のJava版をプレイするのに公開されている必要なスペックとほぼ同等です。
ちなみに、スクラッチなどの簡単なプログラミングだけをやるなら、ハイスペックPCは不要です。
受講の際の注意書きを読むと『ステージ2以降では、マインクラフトのJava版を購入推奨』と書いてありました。
よって上記は学習が進むにつれて、一番動作が重くなりがちなマイクラを作動できる環境を推奨していると思われます。
もし現在お使いのPCが相当古いものでなければ、とりあえず体験受講してみて考えるのが良いかと。
マイクラでプログラミングをやるか、MOD(グラフィックのカスタマイズ的な)までやるかでも必要スペックは変わります。
汎用性の高いPCを購入したのに、後々やっぱりゲーミングPCが必要になったなんてことになったら大変です。
今現在のお持ちのPCでどこまで動作可能か確認すること。
そしてある程度学習が進んでから、購入を検討するのも無駄がなくておすすめです。
加えて、オンライン学習をするならカメラやマイク搭載のものが良いでしょう。
以下で用語を含めて解説していきます。
CPUとGPU
プロセッサー
⭐️CPU:パソコンの制御や演算を行う最も重要なパーツ。
⭐️GPU:画像や映像を高速でモニターに映す画像処理装置。
⭐️CPUとGPUの違い:CPUの目的は汎用的な処理を行うこと、GPUの目的は高速な画像処理を行うこと。
⭐️APU:AMD社(AMD Accelerated Processing Unit)が2006年から開発を行なっている、CPUとGPUとを合成・統合させた新しい製品の名称。
CPUのメーカーは大きく分けてIntelとAMDの2種類ありますが、子供向けプログラミング用(特にゲームが題材)で選ぶ際に気を付ける点があります。
インテルのCoreプロセッサーは基本的にCPUにGPUを内蔵していますが、AMDのRyzenシリーズはGPUを内蔵していないものがあります。
マイクラなどのゲームを題材にプログラミングを学ぶにあたってはGPUの存在が不可欠ということです。
なのでAMDを選ぶ場合は、デジタネに記載があるようにAPU内蔵のものを選ぶようにしましょう。
性能や安定性を重視するのであればIntel、コスパやスピードを重視するのであればAMDを選ぶと良と言われています。
ちなみにCPU内蔵のGPUだけでは、本格的なゲームをプレイするには不十分なので、後に記載のグラフィックボードが必要になります。
グラフィックボード
プロセッサー単体では動作に難ありのオンラインゲームのプレイも、3Dグラフィックスの描画処理に特化された「グラフィックボード」搭載で快適に作動します。
⭐️OpenGL 4.5:Open Graphics Libraryの略称で、2次元および3次元グラフィックスを描画するためのAPI。 ハードウェアに依存しない汎用的なグラフィックス処理を可能にする技術。
⭐️GeForce:NVIDIA社のGPU。独自のAI技術・チップを採用し、よりリアルで滑らかなグラフィックスの表示ができる。GPUでは圧倒的なシェア率。
⭐️Radeon:AMD社のGPU。鮮やかに色彩を表現できるとともに、価格・消費電力が低いことからコストパフォーマンスが高い。
グラフィックボードは同じ数字の型番でも、ノートPCとデスクトップで性能が違います。デスクトップの方が性能が格上です。
プログラミングのみの観点だと、GPUの存在はそこまで重要ではないと考えますが、マイクラでプログラミングを習うという点ではグラフィックボードがあれば尚安心です。
厳密に言うと表示出来ないわけではないですが、GPUなしでは動作がカクカクしたり重かったりして不快な思いをします。
RAM(メモリ)
RAM:Random Access Memory(ランダムアクセスメモリ)の略。
メモリが多いほど、一度に多くのアプリを開ける。現在の一般的なPCが搭載するRAMは4~16GB程度。
メモリの容量が大きいほど、一度に多くの作業をこなすことができます。
パソコンを起動しているだけでも容量を消費するので、メモリ容量が少ないとすぐに動作が重くなってしまいます。
タイピング練習や簡単なプログラミング学習なら4GBあれば問題ありません。
イラスト制作、画像の編集などを行ったりするのであれば、8GB以上のメモリが備わったモデルを選択しましょう。
最低でも4GB以上、ゲームを快適に操作するには8〜16GB以上のメモリを搭載した製品がおすすめです。
同じGB表記のストレージの意味とは違うので注意が必要です。
ストレージ
ストレージは、パソコンのさまざまなデータを保存するための領域です。
デジタネの規格にある、空容量の項目がこれにあたります。
「スマホの容量がいっぱいで〜」などと身近で話題になるのがストレージですね。
OSの重要なデータもストレージに保存されているので、容量が少なすぎるとほかのデータを保存するためのスペースがほとんど残りません。
最低でも64GB以上のストレージ容量を備えた製品であれば安心です。
また、容量だけでなくSSDかHDDかも考慮しておきたいポイント。

ゲームの動作環境を考える場合は、より高速なSSDを選ぶのが吉。
基本的にSSDは高速なデータ転送が可能ですが、HDDよりも容量あたりの価格が高いのが特徴。HDDを搭載したモデルは、転送速度よりも価格を重視したい方におすすめです。
一般的なPCのストレージ容量は、128GB~2TB程度。スマートフォンやタブレットでは16~128GBがほとんどです。
Windows、Mac、Chromebookの違いとおすすめ
パソコンのOSにはWindows、MacOS、ChromeOSなどがあります。
Windows、Mac、Chromebookはそれぞれ特長が異なります。
Windowsは多くのプログラミング言語やソフトウェアに対応し、柔軟性があります。
MacはiOSアプリ開発に適しており、クリエイティブな作業にも強いです。
Chromebookはコストパフォーマンスに優れ、オンラインで学習できる環境が整っているため、初心者向けです。セキュリティが高く、動作が軽いのも特徴です。
予算や学習内容に応じて、適したOSを選びましょう。
小学生向けのパソコンにおすすめのOSは、Windows。
対応しているソフトやプログラムが多様で、利用者も多く、製品の選択肢も豊富です。
デスクトップかノートPCか
私自身がプログラミング学習の経験者であるので、これは実体験から出た意見です。
持ち運びに便利なのは圧倒的にノートPCですね。
ただ画面が小さくて見にくいのはネックです。
プログラミングの講座によってどんな画面で進行していくかは変わりますが、最終的にHTMLやCSSをコーディングしていく場合にはノートPCとは別に大きめのモニターがあると便利です。
プログラミングのコードを組んでいく画面と、その結果を反映した画面、2画面あると大変見やすく、作業効率が上がります。
画面を度々切り替えながら作業するのは面倒なんですよね。
デスクトップの場合のデメリットはやはり持ち運べない点です。
最初はオンライン学習でやるつもりだったけれど、やはり通学に切り替えたいとなった場合、デスクトップだと新しくノートPCを購入せねばなりません。
おすすめとしてはスペック高めのノートPCを使いつつ、大きめの別売モニターに繋ぐことです。
普段はモニターを使いながら快適に作業し、他の部屋に移動したいときはPCだけ持ち運ぶこともできます。
時には子供部屋に持って行ったり、時にはソファの上でやったり。そんなこともできると良いですよね。
Intel シリーズの見方まとめ
世代の見分け方は簡単です。
先頭の数字を見れば見分けることができます。
第10世代 Core i7-10700
第11世代 Core i7-11700
第12世代 Core i5-12600
第13世代 Core i5-13400
型番による性能の比較は以下です。数字が上のものを選ぶと良いですが、値段も上がります。
Celeron < Pentium < Core-i3 < Core-i5 < Core-i7 < Core-i9
末尾にアルファベットがついている型番で、(数字)HFのものは、GPU非搭載モデルなのでご注意を。
AMD シリーズの見方まとめ
デジタネの推奨CPUに記載がある『AMD A10-7800』とは、
2014年の7月にAMD社から発売されたAPUです。
2024年現在はAMDのRyzenシリーズが主流となって発売されています。
基本的には「Ryzen 5」などの末尾の数字が上になるほど性能が上がるということを覚えておけば大丈夫です。
Ryzenシリーズであれば、推奨のCPUより性能は格段に上です。
Intel のシリーズの数字とは関係がないので数字だけで性能を比較してはいけません。
必要であればGPUが搭載されているか、を確認すると良いです。
おすすめのパソコン5選
ゲームを題材にしたプログラミング学習においては、元々ゲームを目的に作られたゲーミングパソコンの購入をおすすめします。
やはり最低限グラフィックスに耐えうるCPU&GPUの存在と、プログラミング学習をやるうちに、他のゲームをやりたくなった場合、再び買い換えるのは大変です。
追加で高度なカスタムをやりたいとなれば、より本格的な(ウン十万とか)するレベルのものを購入する必要性を感じますが・・・『山田くんとLv999の恋をする』のヤマダのような・・
子供に買う最初のゲーミングPCとなれば、10〜15万ぐらいの価格帯を選んでおけばほぼ巷のゲームをやる上で動作には問題なく、お値段以上のクオリティを味わえるのではないかと。
マイクラで言えばMod目的なら不十分ですが、初めて子供が持つ分には十分と言えます。
15万くらいの他のPCと比較しても、ゲーミングPCの稼働力は高めです。
以下を購入の参考にしてみてください。
ちなみにオフィス系ソフトは入っていません。
ガレリア
CPU | Core i5-12450H |
CPU速度 | 4.4 GHz |
RAM | 16 GB |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 3050 4GB |
OS | Windows 11 Home |
ディスプレイ | 15.6 インチ |
内蔵メモリー容量 | SSD500GB |
Dell
CPU | Core i7-13650HX |
CPU速度 | 1.9 GHz |
RAM | 16 GB |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 3050 |
OS | Windows 11 Home |
ディスプレイ | 15.6 インチ |
内蔵メモリー容量 | SSD512GB |
ASUS
CPU | AMD Ryzen 5 7535HS |
CPU速度 | 3.3 GHz |
RAM | 16 GB |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 4060 LaptopGPU |
OS | Windows 11 Home |
ディスプレイ | 15.6 インチ |
内蔵メモリー容量 | SSD512GB |
MSI
CPU | Core i7-13620H |
CPU速度 | 2.4 GHz |
RAM | 16 GB |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 3050 LaptopGPU |
OS | Windows 11 Home |
ディスプレイ | 15.6 インチ |
内蔵メモリー容量 | SSD512GB |
Acer
CPU | Core i7-13620H |
CPU速度 | 2400 MHz |
RAM | 16 GB |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 4060 LaptopGPU 8GB |
OS | Windows 11 Pro |
ディスプレイ | 15.6 インチ |
内蔵メモリー容量 | SSD512GB |
HTMLやCSS、他のプログラミング言語を使った開発においてはゲーミングパソコンは必要ありません。
GPUにこだわる必要がないので、7万円台程度のPCでも出来ます。
重めのゲームでないプログラミング学習をお考えであれば【LenovoのThinkPad】が十分なスペックの割に7〜8万円台からあり、おすすめです。
CPUに内蔵のGPUのみで、グラフィックボード非搭載なのでゲームは期待できませんが性能とコスパのバランス良しです。

私もMacbookでWEBサイト作りました。(Macはデザイン向きなのでゲームにはおすすめしません。)
私の場合、自分の息子(小学3年生・マイクラ&ロブロックス大好き)にプログラミングを習わせるため、この中から購入するものを選ぶ予定です。
お子さんがゲーム好きで、プログラミングをする以外にも今後ゲームをする可能性がある、という方はゲーミングPCを選んでおいて損はないですよね。
他の用途にも使える十分なスペックを搭載しているのも魅力です。
我が子がどんな目的で使用するのかをよく考え、目的に合わせたPCを選びましょう。
教室やメーカーに聞いて確認する
小学生のプログラミングには、身近なマイクラやロブロックスで学習するのがおすすめです。
まずは楽しい、から入ることが学習継続の秘訣です。
上記に羅列したPCスペックであればほぼカバーできるのではないかと思いますが、一番重要なのは購入の前に確認してみることです。
無駄に高いスペックのPCを購入して、高いお金を無駄にする必要はありません。
しかし!やはり学習となればPCがスムーズな動作でないと集中できません。
PCやオンラインゲームも必要スペックの更新は常にあり、プログラミング界隈も情報の更新が早いです。行動の前に要確認です。
自分が通いたいと思っているプログラミング教室、購入サイト、メーカー公式ホームページなどから必ず目的に合わせた使用ができるか、お問い合わせをしてくださいね!
それでは!楽しいプログラミング生活を!
【参考サイト】
ドスパラ公式の性能比較がかなり参考になりますので詳しく知りたい方はどうぞ。